「第36回 一歩一歩進めば必ず頂上にたどり着ける。~田部井淳子さん~ 」(湘南あおぞら・倉重達也)

表題は昨年の10月に腹膜癌で亡くなった登山家田部井淳子さんの言葉です。今年17日にNHKでドキュメンタリ番組が放映されました。

 病魔に冒されながらも、被災地東北の高校生を率いて富士山に挑戦する映像を見て、その明るい笑顔とひた向きな姿にとても感動しました。最後になった富士山の登山は残念ながら7合目までしか登れませんでしたが、それは表題の言葉のとおり「一歩一歩」そのものでした。

 

 田部井さんが山に魅せられるようになったのは小学校4年生の時、担任の先生に那須連山にある朝日岳と茶臼岳に連れて行ってもらってからとのことです。福島県三春町の緑の山々が続く土地から岩と砂まじりの岩山の風景は、自分のまったく知らない世界があることに驚きの連続だったようです。それからは、エヴェレストやキリマンジャロなど世界の名だたる山々を征服していきました。

 

 どうしてあんな大変な思いをしてまで山に登るのでしょうか。

その一つの解釈は、現代のようにいろいろな技術が進んであらゆる生活上のプロセスが省略されたり、スマホの普及や人工知能が進んでバーチャルな世界が広がったりすると、知らないうちに人間自身が自然の一部であることを忘れ、生きているという現実感が薄れてきていることに起因しているかも知れません。

ある意味で自分の体と向き合い、肉体を酷使しなければならない登山という行為は、人と自然が一体であること、あるいは人そのものが自然であることを実感できるものなのではないでしょうか。

 

 私自身は、高校3年の時に白馬に登ったのが登山と言えるものの最初でした。それからもう、40年以上経ちます。その後は、育成会の職員に誘われて県内の低い山に4,5回登っただけです。

たまには脳みそを休ませるためにも里山歩きを再開してみようというのが今年の抱負になりそうです。

 

 第36回写真.jpg

 

                                 「湘南あおぞらから望む富士山」

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