「繋がりを求めて」(湘南セシリア・みらい社 伏見康一)

去る527日、昨年も紹介致しました「ラン伴+YAMATO」というイベントを今年も開催致しました。ちなみに「YAMATO」とは大和市のこと、「ラン伴」のイベント内容は以前紹介していますので割愛致します。

 

今年はランイベントに併せて講演会を開催しました。講演者は丹野智文さんと舟田彰さん。請謁ながら小生が司会とシンポジウム進行役をやらせて頂きました。

丹野さんは車販売店在職中の2013年、39歳の時にアルツハイマー型認知症と診断を受けました。発症後も同じ職場で仕事を続けておられており、仕事や講演活動等お忙しいなか、仙台から駆けつけて頂きました。舟田さんは川崎市宮前区図書館の職員さんで、ブックカフェや市民団体とのコラボレーション企画など新しい取組を実践しており、「認知症の人に優しい図書館」と掲げ、関連図書コーナー設置等をされてこられています。

シンポジウムでは丹野さんは「認知症の方にとって、ではなく、誰もが過ごしやすい町に子ども大人も障がい者も認知症の人もいる、と考えたい」と語り、舟田さんは「いつも来られる年配の方によりよい配慮をしていったら『認知症の人に優しい図書館』になった」と語られていました。

 

講演後控室に戻った時のこと。丹野さんが舟田さんに「認知症コーナーを図書館の奥のスペースに設置されたというのは、とてもいいと思います。分かりやすいように、と入口近くに置かれることが多いけど、当事者にしてみると恥ずかしくて読みたくても立ち読み出来ないものなんです。」と言われていたのが印象的でした。さりげない語り口でしたが「配慮」の本意に気づかされました。お二人ともとても気さくな方で前日の事前打ち合わせ、当日講演会後のイベント参加と撤収までも手伝ってくれました。

丹野さんのセールスマンとしての心得や経験のお話、また舟田さんの図書館の可能性を追い求める情熱にとても強い刺激を受けました。お二人の共通しているところは「人との繋がり」を大切にされている点。繋がりを築くための「媒体」としての車であり、本である、と考えておられるとのこと。「私たちにとっての『ラン』も同様だと思っている」と発言したらお二人から賛同頂き、大変心強い思いをしました。

 

さて、この取組をいかに地域市民に浸透させていけるか...。これから大きく重要な課題が待ち構えています。今後も楽しみながら進めていき、いつかは藤沢市でも興したいと夢を見つつ、今は出来ることを着実に取り組んで行こうと思っています。

 

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