被災地支援を終えて

私は5月23日から一週間、生活介護事業と重症心身障害児()通園事業(B型)のサービスを行っている仙台の施設に支援に入らせて頂きました。
 海の近くではなかった為、津波の被害はありませんでしたが、4月7日の深夜、震度6の余震で施設の天井が崩落してしまい、施設内は使用することができなくなってしまったとのことでした。その為、施設内の4つのグループは地域のコミュニティーセンターや別の事業所の一部屋を間借りし、また軽度の方は園庭にテントを張り外での活動をされていました。
 私は今まで重度心身障害の方への支援経験がなく、どのように対応したらよいのか不安がありました。しかし、先ず支援に入るにあたり現場の職員の方がサポートブックを見せて下さり、利用者お一人おひとりの好きなこと、苦手なこと、ADL面の介助ポイントなどがわかりやすく記載されており、とても参考になりました。また、普段のかかわりの中でも利用者お一人おひとりの意志を尊重し、日課にこだわらずに利用者に寄り添う支援をされていることにとても共感を持ちました。
 施設からそれぞれ活動場所に向かう車に乗る時も決められた時間で乗って頂くのではなく、職員の方がご本人の様子をみながら、気持ちが車に向くまで待っている姿を見て、このような厳しい状況であっても、普段と変わらない丁寧な支援を実践されていることに驚きを感じました。
 みなさんの姿勢を間近で見て、私が働く上で大事に思っていたことを、思っているだけではなく、全職員が日常のやりとりの中でされていることに、自分の施設での支援を振り返るきっかけとなりました。
 ご家族のお話では、震災後直後から、施設の職員が自転車でご家庭に訪問し、医療的ケアの方が最も必要な吸引器を施設の発電機で充電してくれたこと、給水車が来ても子どもを一人にして家から出られなかったので代わりに水を運んでくれたことなどとても助けられたと話されていました。施設の職員の方も同じ被災者であるのに、利用者やご家族の為に今出来ることを行うという姿勢に、私が同じ立場に立った時そのように動けるのであろうか考えてしまいました。
 今回ボランティアというかたちで行かさせて頂きましたが、わたしにとって忘れることのできない学びの一週間となりました。

                                 (保田 清美)

 

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