今年度の就労移行支援事業が始まって、一か月が過ぎました。この間、メンバーが主体的になれる就労プログラムを実施して、少しずつカタチが出来つつあります。前回のブログでご紹介した『朝礼のカタチ作り』もその一環です。こうして、実施している就労プログラムは「あるコンセプト」をもとに成り立っています。そのコンセプトとは
『常に自分の行動に意味を持たせること』であり、これは
『常に目的意識を持って行動すること』に通じています。
これらを実行することによって、『自分は"何を目的に"、"何の意味があって"行動をするのか?』が明確化され、プログラムの効果が上がるものと考えています。
このコンセプトを具現化するためのプログラムを日々メンバーに提供できるよう心掛けています。具体的には『考える・書く・発表する』という要素を含んだプログラムを提供しています。
【"考える"と"書く"要素】
この要素を満たすために、多くのプログラムの冒頭にワークシートを配布し、メンバー自身が"考えて"、その考えをシートに"書く"ようにしています。
例えば、メンバーは朝の日課として、「館内清掃」を実施しています。実施の初日にメンバーには『掃除をする目的、意味、理由は何ですか?』という質問が書かれたワークシートに取り組んでもらいました。ここで言う、掃除の目的とは当然ながら"館内をきれいにすること"です。メンバーが"考えた"答えをワークシートに"書く"で、自分の考えが整理されます。その結果、メンバーは掃除の目的を理解する。つまり、『自分の行動に意味を持たせる』ことができます。そして、その目的を意識した上で掃除に取り組む、つまりは『目的意識を持って行動する』ことができます。さらにこのことで、主体的に掃除に取り組むという主体性の向上にも繋がります。
この他にも実施するプログラム内容に合わせて、『何のために?』を考えるためのワークシートをプログラムの冒頭に配布して取り組むところから始めています。
【"発表する"要素】
この要素を満たすために、将来的に採用面接時に役立つよう、ワークシートにまとめた考えを発表することによって、相手に伝える力を身に付けるプログラムを実施しています。
「人前で話す力」を、多くの経験の積み上げから身に付けてもらいたいと考えています。このプログラムの時にも、『なぜ、人前で発表する練習をするのか?』を考え、行動の「意味付け」と「目的意識」を持たせるような働きかけをしています。
就労移行支援事業の目的は一般就労です。しかし、例え就職できたとしても、そこがゴールではなく、むしろ新たな人生のスタート地点に立ったということであると考えます。みらい社の就労プログラムが掲げるコンセプトは、「新たな人生がより長く、充実したものになるためのもの」でありたいと思っています。
(みらい社 就労支援員 片野 篤伸)
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