5月下旬に時事問題をテーマにしたグループワーク中心のプログラムを実施しました。テーマにした時事問題とは連日のように報道されている『大学アメフトの悪質タックル問題』です。このテーマに取り組むにあたって、最初にメンバーと目的を確認しました。その目的とは、テーマに対して"自分の考えを持つこと"です。
グループワークを進めるに当たって、まず、新聞を読み、起きた事実を確認してメンバー間で情報を共有するところから始めました。まず感心したのは、この時点でメンバーのこの事例に対する、"予備知識"が豊富であったことです。普段から、新聞やテレビを通して、世の中の動きを感じ取っていると思いました。グループワークでは感情論に流されることなく、事の本質をメンバーが理解できるようにしました。同時にワークシートを用いて、メンバーが持つ"考え"を整理していき、この問題について自分自身がどんな"意思"を持ち、何を"考える"のかをまとめていきました。そこでまとまった"考え"をグループワークの中で発表し合い、他のメンバーの意見を参考にしながら、さらに"考え"を固めていきました。
このような形でグループワークを進めた結果、最終的にメンバー一人ひとりの"意思に基づいた考え"が生み出されました。その生み出された"考え"はメンバー一人ひとりの良さを多く含んだオリジナリティあふれるものでした。また、どの"考え"にも『自分だったらどうしたいか?』という自分の"意思"に基づいた上で、『そのためには何ができるか?』『そのためにはどうするべきか?』という観点が含まれていました。『選手がかわいそう』『監督・コーチ陣が悪い』といった感情論に留まらず、考えたことの根拠にまで掘り下げられた"意思に基づいた考え"であったことがとても印象的でした。一例としては...
『相手が報復行為に出なかったことが良かった。』
『選手側と監督・コーチ側の主張に食い違いがあるため、一緒に会見を開いてみたらどうだろうか?もちろん壁はあるけれども選手一丸になって乗り越えて欲しい。』
『当該選手にはアメフトを続けて欲しい。ただし、当事者同士で和解することが前提。』
『監督・コーチ陣に対抗するために親に頼っても良いのではないか?保護者会とかないのかなぁ?』
等々が挙げられます。
"考えることの大切さ"や"自分の意思を持つことの大切さ"はみらい社・就労移行支援事業のコンセプトであり、これに基づいたプログラムを行ってきましたが、メンバーがこれまで学んできたポイントを押さえた上で今回のグループワークに取り組んでいたことが伺えました。
翌日には時事問題をテーマに考えることの"目的・意味・理由"に気づくログラムを実施しました。この様子につきましては、次回のスタッフ日記においてご案内させて頂きます。(みらい社 就労支援員 片野 篤伸)
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