月に一度の贈り物 (湘南ゆうき村・上薗  涼)
 

"明日へのチカラ"

みなさんは何から得ていますか?

1日の活動を終えて翌日に備えるとき、何かにつまずきを感じたとき、どのようにして自分を切り替え、新しい活力を得ているでしょうか。

人によってその方法は様々でしょうが、家族や友人との時間、余暇活動、運動、睡眠、はたまた晩酌なんていったところがその代表と言えるかも知れません。

どんな方法であれ、自分をリラックス・リフレッシュ・リセットへと導いてくれるものなら、おそらくはそれが "明日へのチカラ" と言えるのではないでしょうか。

みなさんにも特別な意識は必要とせず、生活の一部として定着しているものがある事かと思います。

そして、その方法は多いに越した事はないでしょう。心の余裕や時間の有無など、その時々の自分に最も適した "引き出し" を開けてチカラを養うことが出来れば、理想的ですね。ただこれは言葉ほど容易ではないようで、その通り実践されている方は意外と少ないのではと感じています。

ここまで偉そうな事を書きましたが、私自身の話となると、情けない事に引き出しどころか、実は "コレ" といったモノすら挙げられないのが現状です。強いて挙げるなら「自宅で大好きな携帯電話(スマートフォン)を片手にリビングでゴロゴロする事」となるでしょうか。いい大人のオフの方法としては何とも未熟で恥ずかしい限りです。おすすめの方法、なにかありませんでしょうか。

 

そんな私にも、転機がやって来ます。

自分にチカラを与えてくれるものに出会えたのです。

それは意外にもとても身近なところに潜んでいました。法人の職員のみなさんにはお馴染みかと思いますが、毎月15日に発行されている法人の予定やインフォメーション、入退職者のお知らせなどが掲載された "職員だより" です。

後に事務の方に聞いてみたところ、この職員だよりは昨年度の半ばから発行されていたとの事でしたが、私は発行当初、その存在にあまり意識を向けてはいませんでした。

そしてこの職員だより、毎号必ず『今月の言葉』と題してメッセージも綴られています。

本格的な梅雨を迎えていた頃だったでしょうか、私は公私とも心に余裕が無い状況にありましたが、それを上手に切り替える術を持ち合わせてはいなかったため、日を追うごとに疲弊していました。

職員だよりの言葉に目を奪われたのはちょうどその時でした。

 

『にんげん、やさしささえあれば、やらなきゃならねえことは、きっとやるもんだ』

                  (編集者註・絵本「モチモチの木」の台詞)

 

言葉には人を勇気付けるチカラがあるといいますが、まさにその通りの体験になりました。

なんだか身体がスーッと楽になり、同時に枯れかけていたチカラが湧いて来たのを覚えています。特にその時の自分にぴったりのメッセージだったからかもしれませんが、本当に大きなチカラを頂きました。

気がつくと、私はこの言葉を携帯電話のメモに打ち込み保存していました。

これまでもメディアや活字、人との会話を通じて素晴らしい言葉には接して来たはずですが、繰り返し触れていないと忘れてしまう自分を知っていたからです。

少し大袈裟かもしれませんが、これでいつでもチカラを貰う事が出来る、そんな安心を手に入れたような感覚がありました。

事実、このメッセージが明日へのチカラとなり、乗り越えられた日々が少なからずありました。

以降、この毎月のたよりは私にとっての楽しみとなり、次第に欠かせないものへと変わっていきました。

どういう訳か、毎月届くメッセージはその時々の私の状態を見透かしていたと言わんばかりの内容で、おまけにちゃんとチカラを与えてくれるのですから不思議で仕方がありません。

月を重ね、その数が増え、今では "引き出し" にもなりつつあります。頼もしい味方として、これからも多くの場面でチカラを頂くことになりそうです。

 

ちなみに自分流の活力源を見つけることを諦めた訳ではありません。いい大人になるためにも出来ればアクティブなものを、ひとつでも身に付けることが目標です()

 

でも、それとこれとは別にしたいと思っています。

月に一度の贈り物、大切に感じるために。

 (湘南ゆうき村 支援員 上薗 涼)

 

                                                                                                

 

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