この時期、毎年のように児童入所施設の退所を向かえる方々の利用相談が入ります。
施設を出ることは理解できていても、その後、自分たちが「どこで」「どのような」生活をしていくのか、また、していけるのか不安を抱えている方も少なくはありません。退所に向けての不安解消や、退所後の生活イメージをつけていくためにも「経験(体験)」は非常に意味あるものになります。ただ、グループホームでの生活体験の場がまだまだ少ないといった現状があります。黒崎ホームでは、空き部屋を活用し、そういったニーズを抱える方々に地域資源として提供する機会を得ました。
「よろしくお願いします!」
先日、黒崎ホームのとあるホームにて2名の方が別々に一泊ずつ体験利用されました。
緊張した趣で付添の職員と一緒にホーム到着。
体験に向け施設でオリエンテーションを行い、それぞれがそれぞれの目的をもって体験に臨む姿勢が最初の一言から感じられました。
到着後、居室に案内すると天井から壁一面、ベッドやテレビ、クロゼットなどの備付の物に至るまでを爛々とした眼で眺める姿に、出迎えた私自身も支援者の一人として利用者の「地域生活のスタートの一瞬」に立ち会える事に喜びを感じました。
『関りを通して感じ思う』
~エピソード~
①二人で昼食を食べている時に彼が描く将来の話を聞かせてもらいました。
「仕事は○○がしたい。お金を稼ぎたいから。でも、生活はまだよくは分からない...。」
②「施設をでたらグループホームで暮らして仕事を頑張りたい。」
「ハッ!」とさせられました。
私が初めて社会人になった時(なろうとしてる時)、帰る家も家族もあり、生きていくこと、仕事をしていくことに何の不安もなく、それが当たり前の環境だと思えていました。
しかし、私がいま目の前にしている人は違う・・・。
「生きる場所」「働く場所」を同時に見つけていかなければならない現実が迫っている事を直に感じました。
2名の方の現実を思い知ることで、まだまだ「私自身ぬるい」と再確認することができました。何の役に立てるか分からない。でも、この人たちの役に立ちたいと切に思いました。
サービスセンターぱる
大澤 健二
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